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国家としてのロシアを精神分析してみると

2022年02月28日 · コメント(0) · 深層心理, 社会精神医学

「国家を精神分析する」とは、岸田秀氏の「唯幻論」の考え方です。

そんな岸田氏の真似事をして私がロシアという国家を分析したならば「妄想性人格障害」の診断がつけるのです。

妄想性人格障害とは「他者の動機を敵意や有害性のあるものと解釈する、他者に対する根拠のない不信や疑いを抱く気質や性格」であり、当人は「他者が自分を大きく取り返しのつかないほど傷つけた」と考えます。

侮辱や軽蔑、脅しや不忠がみられないかを警戒し、発言や行動に隠れた意味がないかを探ります。自分の疑念を裏付ける証拠を探そうと他者を吟味し、他者を信用しないため主導権は自分で握っていなければならないと感じています。自身の行動に他者が否定的に反応すると、その反応を自分がもともと感じていた疑念を裏付けるものと捉えるのです。

では、なぜロシアが妄想性人格障害を抱えているのか。それはロシアの気候や地政学が関係するのです。

妄想性人格障害は小児期の虐待歴や犯罪の被害歴との関連を示唆する研究があるのですが、極寒の厳しい自然環境は妄想性の人格障害を育む土台となるのです。

ロシアは世界最大であるその領土を、ノルウェー、フィンランド、エストニア、ラトビア、ポーランド、中国など、多数の国に囲まれており、常に侵略の危機に対応する必要から、根拠のない不信や疑いを抱く気質は、サバイブするに必要な「人格」であったのです。

ロシアの政権交代は暗殺の歴史でもありました。現政権下でも野党指導者やジャーナリストが不審な死を遂げていることや、ロシア語には「安全」という単語が存在しないことも、ロシアが根拠のない不信や疑いを抱く気質を表しているのです。

では妄想性人格障害を抱えたロシアの末路はどうなるのか。もちろん私にも知る由はありません。

しかし妄想を「訂正不能な確信」と定義するならば、ロシアに対話を求めることは困難であり、また欧米諸国の非難や制裁はロシアの抱く確信をより強固なものにしかねないのです。

一人でも少ない犠牲者を、一日でも早い解決を望みます。

プラセボのレシピ:第424話

東京都豊島区の心療内科・精神科:ライフサポートクリニック

当院はカウンセリング治療を大切にするメンタルクリニックです。

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