プラセボのレシピ

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ほぼ日更新 アルコール依存症治療における覚書 3

2021年09月06日 · コメント(0) · 依存症

第三講「美味しいお酒」の正体とは

先ほども少しふれたが,お酒の「味」について話し合うことは病識の獲得に重要と言える。

外来で,飲酒の理由について「美味しいから」と答える患者によく出会う。

しかし,そこで「では,あなたは味を重視した地ビールやワインばかりを飲むのですか」と尋ねたなら,

答えは決まって,質より量を重視した安価なお酒や,度数の高さを売りにしたチューハイである。

また,これは多くの方が誤解しているのだが,アルコールとは本来,不味い飲み物である。

不味いがために,果汁や砂糖を入れたり,冷やしたり炭酸を入れたりするのだ。

なるほど寒天も砂糖と果汁を加えたならばゼリーとなり,水ですら砂糖や炭酸を加えればサイダーとなる。

つまり「美味しいお酒」なるものは本来存在せず,その正体は

「樽に寝かせる」「お米を磨く」

といった手法で,アルコール本来の不味さを隠せた商品なのだ。

世間には,日本酒を口にした際の褒め言葉として「水みたい」と語る方がいるが,

「それであるなら水を飲めばいいのに」

と考える人は著者だけではないだろう。

では,なぜそんなに不味いお酒を,古今東西,人は工夫を凝らして摂取するのかと言うと,

1つ目は,飲酒により脳内でドパミンが放出され,「快」と呼ばれる感情をもたらすからであり,

2つ目は,人は酩酊することで「ストレスが解消できた」と錯覚するからである。

そのため,前者の作用を求める飲酒は合理的であり,

後者の作用を求める飲酒は不合理と呼べるだろう。

(精神神経学雑誌 123: 500-505, 2021)

プラセボのレシピ:第420話

東京都豊島区の心療内科・精神科:ライフサポートクリニック

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