では、最後に治療の話をして本講演を終えたいと思います。
物質依存症と行為依存症では、原因が異なるため治療も少なからず異なります。
物質依存症の原因は「時間×量」でした。
そのため治療は「患者さんが該当物質を長らく使い続けることになった背景」を探ることが欠かせません。
「相談相手がいない」
「人に頼るのが苦手」
「職場でのスキル不足」
「知的障害や発達障害を抱えていた」
このように、原因は人それぞれですが、まずは治療者が「患者さんの生い立ちや性格」を詳細に聞き取り、相手を受容してあげることが欠かせないのです。
一方、プロセス依存症の原因は「ビギナーズラック」でした。
つまり、痴漢でもギャンブルでも、依存症になってしまった原因と「生い立ちやストレス」などは関係が薄いのです。
もちろん治療者が患者さんを理解するためには、こうした情報は欠かせません。
しかし、
「過去を遡って、問題行動の原因を探る」
「幼少体験を語ることで再犯を防ぐ」
「ミーティングでストレスを吐き出す」
なんてことをしても、再犯予防にはあまり繋がらないのです。
(次回へ続く)
プラセボのレシピ:第413話
東京都豊島区の心療内科・精神科:ライフサポートクリニック
当院はカウンセリング治療を大切にするメンタルクリニックです。
うつ病や不安障害に加え、依存症や発達障害の治療を受けることも可能です。
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