「呪文って本当にあるのですか」
先日、こうした質問を受ける機会がありました。
呪文、まじない、洗脳、こうしたものは、いたっいどこまで本当なのでしょうか。
現代の精神医学の診断学の中心は、米国の精神医学界が発行する「DSM5」です。
うつ病、躁うつ病、統合失調症、不安障害、…
恐怖症、PTSD、小児性愛、…
本書には、ありとあらゆる精神の病的な症状や行動が統計に基づき掲載されています。
しかし、本書が唯一カバーしていない精神の異常が、呪文や洗脳についてなのです。
果たして、呪文といものは本当に存在するのでしょうか。
多くの場合で、呪文は知らない言語であったり聴き取りにくい文言であったりします。
それはさておき、なぜ呪文は呪文たるのか。
意味が分かるから?
意味が分からないから?
意味を見いだせるから?
恐らく、全てが間違いなのだと思われます。
呪文は、音でありリズムであり音量なのです。
例えるなら、フォークで皿を引っ掻く音であり、
黒板を爪で擦る男なのです。
呪文はその音やリズム、音量により、人の本能に不安(対象なき恐怖)を与え、
その不安をなんとか取り除くべく、人は理性を動員し、自己治療としての物語を紡ぐのです。
そして、その物語に縛られたとき、人は呪文に屈してしまうのです。
(プラセボのレシピ:第380話)
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