「著名人の不倫に怒る人の心理を教えてください」
先日、こうした質問を受ける機会がありました。 ※1
そもそも、人はなぜ怒るのか。
「怒りにはいつも理由がある。ただし、正当な理由はめったにない」
これは、ベンジャミン・フランクリンの言葉ですが、
人の怒りの根源は、おそらく自身に対する「無力感」だと思うのです。
人は、生まれてから何年もの間、養育者の保護なくして生きることができません。
また、人は常に自身や大切な人の「死」という問題から逃れることもできないのです。
つまり、人は自我が芽生えたその時から、常に生や死を代表として「無力感」から、なんとかして目を逸らそうと必死に生きており、※2
そして、少しでもこの「無力感」を意識にあげる刺激にさらされようものなら、激しい怒りをその対象にぶつけるのです。
冒頭の質問に戻りますが、なぜ、なんら自分には実害の無い「著名人の不倫」に腹を立てる人がいるのでしょう。
おそらくその答えは、そうした方にとっての不倫報道とは「自身のパートナーに対する無力感」を大いに刺激するからだと思うのです。
(プラセボのレシピ:第370話)
※1 NHK・クローズアップ現代+(5/29 22時~放映)
※2 この対処に失敗すると、人はワーカーホリックを含め、アルコールやギャンブル、性などに依存するのかもしれません
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