プラセボのレシピ

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我慢の心理学

2019年08月19日 · 人生

「我慢が足らない」とよく人から叱られるのですが、どうしたらよいでしょうか ?

先日、こんな相談を受ける機会がありました。

我慢とは何か。

そして、なぜ人は人に我慢を強いるのか。

おそらくそれは、我慢とは精神的にも肉体的にも辛いながらも、それに見合うほどの価値や結果が伴わないからだと思うのです。

(結果「我慢とは尊いものである」といった、どこか宗教的じみたカラーを帯びていき、布教のごとく伝播されてしまうのです。)

しかし、よくよく考えてみたならば、

我慢とは「我(現状の自分)への慢(うぬぼれ)」であり、

これは「思考の怠慢」とも呼べるのです。

もちろん我慢によって物事が好転することもあるでしょう。

しかし、それは単なる確率論であり、いわば「祈り」に近い作業なのです。

もしも、あなたの現状が苦しいのなら、

そして、そんな現状を変えたいのであるならば、

大切なことは現状に対する我慢ではなく、

新しい何かに挑戦する勇気なのです。

(プラセボのレシピ:第379話)

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あなたの「使命」とは

2019年08月07日 · 人生, 仕事

「使命の見つけ方を教えてください」

こうした質問を受ける機会がありました。

使命とは何か ?

おそらくそれは、

「これは、自分にしかできない」
「これなら損得無しで頑張れる」

こうしたものと、

「自身が属する社会での役割」

が一致したときに得られる感情(使命感)だと思うのです。

私達はいつだって「自分のやりたいこと」を探そうとしたならば、

「これをやれば儲かりそう」
「これをすれば認めて貰える」

と、自身の欲や他所の視点に囚われてしまう傾向があります。

もちろん、それはそれで悪いこととは思いません。

しかし、もし一度きりの人生を本当に充実させたいのであれば、

自分の「命」を誰かのために「使う」、

すなわち「使命」を持つことが大切であり、

そのためには、日々、自分自身を高める努力を怠らず、

そして「高めた自分が誰の役に立てるのか」について、

社会を観察し続けることが求められるのです。

(プラセボのレシピ:第378話)

 

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後悔の正体について

2019年07月25日 · 人生

「やらないで後悔するよりも、やって後悔するほうがいい」

といった考え方がありますが、これは全くもってその通りだと思われます。

なぜなら、「やったことで生じる後悔」とは、出来事の記憶に由来するため、必ず時間と共に忘却されますが、

「やらなかったとで生じる後悔」とは、自身の可能性に由来するため、

現状が苦しければ苦しいほど、時間と共にその気持ちが増大する傾向にあるからです。

(プラセボのレシピ:第377話)

 

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博打の負けは博打で取り返せ!?

2019年07月11日 · お金, 依存症

「認知のゆがみを治すことが依存症の治療では大切です」

と話す人がいます。

たしかに、それはその通りです。

しかし、専門家を名乗る方でも誤解をしているケースは少なくありません。


例えば、これは本当によくある話なのですが、

「ギャンブルは儲かる」といった認知を「ギャンブルは儲からない」といった認知に変えましょう!

といった治療は完全に的外れなのです。

なぜならギャンブル依存症とは、「過去にギャンブルで儲かった経験がある」人が発症する疾患だからです。

 https://diamond.jp/articles/-/117430

つまり、ギャンブル依存症者の「ギャンブルは儲かる」といった認知はゆがんでいる、

と指摘する方の認知こそゆがんでいるのです。


では、ギャンブル依存症の治すべき認知とはどんなものなのか。

一例を挙げてみますと、

ギャンブルによって多額の借金を抱えた方が、

「一発当てて、迷惑をかけてきた方達にお金を全て返したい」

という発想のもと隠れてギャンブルを継続し、周囲から完全に見捨てられてしまう、

といったケースがあります。

こうした人の行動背景には、

「当てたお金で借金を返せたなら、またみんなと上手くやっていける」

といった認知が潜んでいるのです。


しかし、もし仮に大当たりを手にして借金の返済ができたなら、どんな未来が待っているのか。

残念ながらお金を貸してきた人達は、その返済が「ギャンブルで得たお金」と知るや否や、その相手と絶縁するのです。

なぜならお金を返して貰った人達は、相手が再びギャンブルで借金まみれとなりお金を借りに来る事を、借金まみれにも関わらずギャンブルを続けていた事実から悟るからです。


「借金を返済しさえすれば、迷惑をかけた方達と、また上手くやっていける」

依存症の方がそう考えてしまう気持ちはもちろん分かります。

しかし、そうした認知を

「ギャンブルで作ったお金で返済しても、相手から絶縁されるだけである」

「最大の恩返しとは、自分が生涯ギャンブルを絶つことである」

といった認知に変換することが、治療者の役割なのです。

(プラセボのレシピ:第376話)

 

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消費税と民主主義の話

2019年07月04日 · お金

消費税率の引き上げに踏まえて「計画的に購買する人」がいます。

また、消費税率の引き上げを踏まえて「計画的に貯蓄する人」もいます。

お金はいつだって人を賢明な判断から遠ざけてしまうわけですが、今日は、もうじき税率が上がる「消費税」について書いてみたいと思います。

過去の5%と8%に引き上げた際には消費や経済成長が悪化した事実から、この度も高い確率で景気は悪化すると思われます。(消費税は「消費の罰金」であり、罰則が強化されたなら結果も自明です)

そのため「景気回復」と言う視点に立ったなら、増税は逆効果と思われます。

しかし、私はかねてより「消費税が国家の主たる財源になること」は良いことだと考えているのです。

なぜなら消費税とは「最も脱税が困難」な税金だからです。

私も過去には「上げるべくは大手の法人税や、富裕層の所得税」と考えていました。

ただ、いくら法人税を上げたところで「経費として計上」されてしまえは逃れられますし、

所得税が高くなればなるほど、優秀な人材が日本に集まることも留まることもなくなってしまうのです。

一方の消費税は、税率を上げれば上げるほど、所得が表に出てこない反社会的な人達や、急増している外国人観光客からも効果的に税を徴収できるのです。

もちろん、消費税にも弱点はあります。

それは、貧困層の方が「税金が高くて何も買えなくなる」というリスクです。

しかし、そうした問題も政府が「食や住」を現物支給することで、解決できるかもしれません。

食料であれば、毎日廃棄されてしまうお弁当を政府が発行するクーポンで交換できたり、古くなった備蓄米を配給するイメージです。

住居に関しても、人口の減少が止まらず空き部屋が急増しているわけですから、何かしらのシステムを構築することで解決できると思うのです。

そして、こうした制度は貧困層だけでなく、やがて全国民が利用することも可能かもしれないのです。

「脱税困難な消費税を主たる財源とし、食や住を国家が無料で現物支給する」

あくまで一つの思考実験に過ぎないのですが、こうした政策を皆さんはどのように思われるでしょうか。

私の意見はと言いますと、ここまで書いておきながら激しく矛盾するのですが、

それでは政府から住まいも食料も管理されている、某共産主義国家そのものだということです。

(プラセボのレシピ:第375話)

※ 参考文献:働き方完全無双 ひろゆき(著)

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「恋の始まりと終わり」についての考察

2019年06月28日 · 恋愛

恋愛において、
「あの人だけは好きになってはいけない」
と思った時は手遅れなのですが、

「あの人だけをちゃんと好きにならなければ」
と思った時もまた手遅れなのです。

(プラセボのレシピ:第374話)

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記憶力を高めたい !?

2019年06月27日 · 人生, 仕事

「記憶力の高め方が知りたいです」

先日、こうした相談を受ける機会がありました。

書店のビジネス書コーナーでは、定期的に「記憶術」関連の本がランクインされることから、記憶力に関して多くの方が関心を持たれていることが伺えます。

しかし、これは裏を返すと「確実に記憶力を上げる方法」は存在しないがゆえの定期的な刊行である印象も受けるのです。

また、ドラッグストアのサプリメントのコーナーにも、DHAやセサミン、イチョウの葉といった、「記憶力」関連の商品が多数並んでいますが、その効果については未だ不確かだと言えるでしょう。※

そもそも、なぜ私達は自身の記憶力を高めることにそこまで関心を持つのでしょう。

もちろん、記憶力が良くなれば、大切な人の名前や、読んだ書籍の内容を忘れてしまうことを防ぐことができるかもしれません。

しかし、精神科で仕事をしていると、過去の嫌な記憶によって長らく苦しまれている方が、あまりにもたくさん来られるのです。

つまり、もし「記憶力が上げたい」と思ったその時は、メリットだけでなくデメリットについても考える必要があると思うのです。

「幸せとは、健康で記憶力が悪いことだ」

これは、アルベルト・シュバイツアーの言葉なのです。

(プラセボのレシピ:第373話)

※ サプリを製造しているメーカーの、社員の「服薬率」を調査することで、何か見えてくるかもしれません。

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職場における自分の価値とは

2019年06月07日 · 仕事

派遣とか、正社員とか。
中小とか、大企業とか。

こうした、
「どのようなカテゴリーに自分が属するのか」
を気にする方は少なくありません。

しかし、そんなことよりも、

今の職場を「辞めます」と言ったその際に、

共に働いている何割の方が「考え直して欲しい」と言ってくれるのか。

それこそが、まさにその方の職業人としての魅力であり価値だと思うのです。

(プラセボのレシピ:第372話)

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発達はどこからが「障害」なのか ?

2019年06月04日 · 仕事, 社会精神医学

「仕事が長続きしない息子に、発達障害の検査をお願いします」

クリニックで勤務していると、こうした相談を受けることが少なからずあります。

昨今、発達障害(の診断件数)は増加の一途をたどっているわけですが、

「では、どこでその線引きを行なうのか」については、まだまだ曖昧な点も多いのです。

今日は、この発達障害の診断について、少し他とは異なる視点で書いてみたいと思います。

そもそも、精神の障害(異常)とは、一体誰が何をもって認定するのか。

もちろん、医療上は精神科医が診断や告知をする役割を担っているわけですが、

その障害を認定する根拠については、担当医の医学的な知識ではなく、

診断を受ける方が身を置く「社会や文化」に拠るのです。

例えば、農家の方が豊作を祈願して、祭壇にウサギと羊の生贄を捧げたなら、

古代の呪術的な文化では正常とみなされますが、現代社会では「妄想状態」と診断されます。

また、「いつか人を斬ってみたい」といった思想を持つ小学生も、

戦国時代であったなら「頼もしい少年」かもしれませんが、現代社会においては「素行障害」と診断されうるのです。

つまり何が言いたいのかと言うと、発達障害を含む精神の障害や異常を認定するためには、

診断をくだす側の人物が、対象となる方の置かれている社会や文化、生活背景などを十分に理解していることが求められるのです。

冒頭の質問に戻るのですが、昨今において「仕事が続かない」という症状(状態)は、果たして本当に発達障害を疑わせるものなのか。

もちろん答えはケースバイケースではあるのですが、

「年功序列や終身雇用は崩壊した」と言いながらも、国内の大手企業では未だその名残は多分に残っており、

わりを食うのはいつだって社会に出て間もない若者です。

また、駅の構内やネット上には、転職会社の広告がこれでもかとばかりに掲載され、彼らの勤労意欲を剥ぎ取るのです。

こうした現代の日本において、「仕事を辞めずに続けている」なんて若者の方が、私はむしろ特異的な印象を受けますし、

仮に、発達にいくばくかの障害を抱えていたとしても、これが平成の中頃までの時代であったなら、

「採用されたからには何かしらの続けられる仕事が用意され、発達障害と診断されることは起こりえなかった」

という構造を、多くの方に知って頂きたいのです。

(プラセボのレシピ:第371話)

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「怒り」の出所はどこにあるのか

2019年05月25日 · 恋愛

「著名人の不倫に怒る人の心理を教えてください」

先日、こうした質問を受ける機会がありました。 ※1

そもそも、人はなぜ怒るのか。

「怒りにはいつも理由がある。ただし、正当な理由はめったにない」

これは、ベンジャミン・フランクリンの言葉ですが、

人の怒りの根源は、おそらく自身に対する「無力感」だと思うのです。

人は、生まれてから何年もの間、養育者の保護なくして生きることができません。

また、人は常に自身や大切な人の「死」という問題から逃れることもできないのです。

つまり、人は自我が芽生えたその時から、常に生や死を代表として「無力感」から、なんとかして目を逸らそうと必死に生きており、※2

そして、少しでもこの「無力感」を意識にあげる刺激にさらされようものなら、激しい怒りをその対象にぶつけるのです。

冒頭の質問に戻りますが、なぜ、なんら自分には実害の無い「著名人の不倫」に腹を立てる人がいるのでしょう。

おそらくその答えは、そうした方にとっての不倫報道とは「自身のパートナーに対する無力感」を大いに刺激するからだと思うのです。

(プラセボのレシピ:第370話)

※1 NHK・クローズアップ現代+(5/29 22時~放映)

※2 この対処に失敗すると、人はワーカーホリックを含め、アルコールやギャンブル、性などに依存するのかもしれません

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