プラセボのレシピ

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続「魔法の言葉」

2019年01月03日 · コメント(0) · 依存症

私は仕事柄、様々な方から転職の相談を受けるのですが、

そうした場面では決まって
「年収に惑わされないようにしてください」
とお伝えするようにしています。

なぜなら転職をするにあたって、もしも「賃金」がその人にとって重要な軸であったなら、

大切なのは、
「初任給ではなく生涯賃金」
だからです。

具体的には、

・その業界は上り坂なのか、下り坂なのか
・そこで身につくスキルはどんなものなのか
・副業はできるのか、できないのか

といった具合です。

そして、こうした考え方は、ギャンブル依存症の治療(援助者の関わり)でも当てはまるのです。

なぜなら、依存症という病気には「治癒」という概念がないため、生涯かけて取り組む必要があるからです。

つまり、ギャンブル依存症の治療で大切なことは、

「目の前の再発を防ぐこと」
ではなく、

「生涯におけるギャンブルの回数を最小化」
することなのです。

たしかに、援助者が徹底的に監視することで、「最初の一年」の再発率を大幅に下げることができるでしょう。

しかし、「一生、誰かに監視され続ける人生」に耐えられる人などいるはずもありません。

そうした仕組みは必ず破綻してしまい、やがて再発へと繋がるのです。

すると、援助してきた人達は、無力感や被害者意識などもあいまって、

お説教をしたあげく監視を強化するか、
「約束通り」と、見捨ててしまうのです。

もちろん、本人だってそうなることは分かっています。

結果、
「取り返えさなくては大変なことになる」
と、いった考えのもと
(こうした「思考形式」も病気の症状です)

再発はどんどんとエスカレートしていき、
「首が回らなくなって発覚」
という結末はパターンなのです。

繰り返しになりますが、依存症という病気に「治癒」という概念はありません。

そのため、治療はどうしたって、
「本人がやりたくても出来ない仕組み」
を援助者の力を借りながら作ることが欠かせません。

しかし、それ以上に大切なことは、

もしも患者さんが再びギャンブルに手を染めてしまった際に、

すぐさま援助者にその事実を告白することで、再発の連鎖を断ち切ることであり、

そのためには援助者が患者さんから、
「この人には、安心して再発を告白できる」
と認識されていることが、欠かせないのです。

プラセボのレシピ:第356話

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