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「クロス・アディクション」は依存症と呼べるのか ?

2018年11月01日 · コメント(0) · 依存症

依存症の書籍や記事を読んでいると「クロス・アディクション」という用語を目にすることがあります。

これはウイキペディアによると、

複数の対象を持つ嗜癖。嗜癖は対象が異っても、同じ空虚感から同じようなメカニズムで発症しているので、同時に2つ以上の嗜癖が合併することがある(酒とギャンブル、薬物と性行為など)。反社会性の強い対象へ移行しつつ(アルコール→ギャンブル→薬物)嗜癖が続くことも多い。

とのことです。

また、私の患者さんの中にも「自分はクロス・アディクションなので重症です」と話される方もいます。

しかし、そもそも依存症とは「特定の物質や行為・過程に対して『やめたくても、やめられない』『より強い刺激を求める』『常に頭から離れない』状態」を指すわけですから、

対象が複数であったり移り変わる時点で「特定の対象にのめり込んでいる」とは言えないわけです。

たとえばお酒であれば、元々はビールだけでなくワインや日本酒なども飲んでいた人が、依存症になってしまうと、

・アルコールであればなんでもいい(バリエーションの減少)
・チャンスがあれば昼からでも飲む(TPOをわきまえなくなる)
・食事にすら興味を示さなくなる(食欲をも上回る強い渇望)

となり、値段が手ごろなサワーや焼酎を、つまみも取らずにダラダラと飲み続けるのです。

つまり何が言いたいかと言うと、「クロス・アディクション」こそが私の言う「なんちゃって依存症」であり、これが依存症と同じ疾患にカテゴライズされている結果、依存症という病態がより理解されにくいものになっているのです。(どちらも、患者さんが苦しいことに変わりはないのですが。)

では、このように「対象が2つ以上であったり、対象が移り変わる」状態にある方は「依存症ではなく何なのか」と言うと、答えは「パーソナリティ障害」である可能性が極めて高く、

治療は(宣伝と感じられるかもしれませんが)拙著を読んで頂くことをお勧めしているのです。

プラセボのレシピ:第350話

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