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ギャンブル依存症という病は本当にあるのか ?

2018年09月26日 · コメント(0) · 依存症

前回、依存症という病気は、

・物質依存症(覚せい剤、大麻、アルコール、など)
・行為依存症(ギャッブル、窃盗癖、痴漢、など)
・人間関係依存症(DV、繰り返す不倫、など)

の三種類からなることを説明しましたが、本日は 「ギャンブル依存症」について説明してみます。

私達は、

・ビンゴゲームや合格発表のような「自分が当選するかも」といった場面
・バーゲンや昆虫採集のような「レアなものを発見できるかも」といった場面

におかれると「ワクワク」や「ドキドキ」といった、ポジティブな感情を得ることができます。

そして、にわかには信じがたいことかもしれませんが、覚せい剤依存症の人が覚せい剤という「特定の物質」に依存するように、

世の中にはこうした「ワクワク」や「ドキドキ」といった感情が得られる「特定の行為」に依存してしまう人がいるのです。

覚せい剤を摂取すると、人の脳内では「ドーパミン」と呼ばれる物質が分泌され「快」というポジティブな感情がもたらされるのですが、

この「ワクワク」や「ドキドキ」といった感情を体験している人の脳内でも、同じドーパミンが分泌されているからです。

代表的な行為依存症には「ギャンブル依存症」や「痴漢や盗撮などの性依存症」そして「窃盗癖」が挙げられますが、この病気になってしまうと人は生まれ持った知性や人格とは関係無しに、

・「分かっちゃいるけど、やめられない」
・「自己破産や逮捕をされても、時が経つと始めてしまう」

といった症状が出現し続けてしまうのです。

もちろん、中には「なんちゃって依存症」と私が呼んでいる、偽者のギャンブル依存症や性依存症もあり、

・不快な現実から目をそらすためにギャンブルに逃避をしている
・射精を目的とした性犯罪を繰り返しているケース

などがこれに当たります。

しかし、「借金がどんどんとかさんでいても競馬やパチスロをやめられない」といった方のほとんどは本物の行為依存症であり、仮に大金を手にしようともギャンブルから足を洗うことはできないのです。

ギャンブル依存症の人を指差して「あいつ意志が弱い」「ダメな奴だ」などと言う人は少なくありません。

しかし、「お金が欲しくて始めたギャンブル」によって借金がどんどんとかさんでいく状態にありながらも当該のギャンブル行為を継続している様は、「借金が恐怖となり得ない強靭な意志の持ち主」とも表現できるのです。

つまり、ここで私が言いたいことは「彼らは意思が弱いのではなく、行為依存症という病気である」ということなのです。

次回は、痴漢や盗撮の心理について書いてみたいと思います。

プラセボのレシピ:第346話

依存症の治療は言葉にするのが難しく、またこれといった教科書などもありません。当事者やその家族はもちろんのこと、治療者すらも困っているのが現実です。このブログはそんな方々に向けて「少しでも力になれれば」といった思いから、日々の臨床での知見や気づきを書いています。

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