プラセボのレシピ

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タバコを吸っても、全員が「肺がん」になるわけではない?

2018年09月18日 · コメント(0) · 依存症

例えば、オスネズミを10匹箱に入れ、餌と水、そして覚醒剤入の水を置いておくと、10匹全てが覚醒剤入の水だけを飲み続け衰弱死します。

しかし、今度はオス5匹とメス5匹、あとは遊具(ラットレースですね)なんかを入れておくと、8割のネズミが覚醒剤入りの水に興味を示さなくなり生き延びます。(異性と交われない、上手く遊具を使えないといったネズミだけが、覚せい剤に取り込まれてしまうのです。)

実は人間も同様で、覚醒剤の依存率はせいぜい2割と報告されており、この数字は僕の100名以上の臨床経験とも一致しています。

アルコールもこれと同様であり、大多数の人はお酒を飲んでもそう簡単には依存性にはならないし、なれないのです。しかし、日々の生活において「生きづらさ」を感じられている方は、飲酒の頻度や量が増大し依存性へと進行してしまうのです。

仕事がない、友人や恋人を作れない、孤独な経営者、そんな方達が、「お酒や違法薬物をやめたいけど、やめられない」と、連日のように僕の外来を受診されるのです。

さらに依存性という疾患には遺伝子が関与していることが分かっています。アメリカでは、遺伝子検査の結果説明の際に、「あなたはコカインなら大丈夫だけど、大麻は依存するから手を出すな」なんて会話もなされるそうです。

自分の話をしてみますと、僕は20代半ばで禁煙を成功し、その事に少なからず誇りを持っています。しかし、それも「自分の意志が強かった」のでなく、「ニコチンに依存し易い遺伝子を持っていなかった」だけなのかもしれないのです。

繰り返しになりますが、覚醒剤でも大麻でもそしてアルコールでも、「用いた所で多くの人は依存性にならないし、なれない」ために、なかなか社会での理解が得られないのです。

プラセボのレシピ:第343話

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