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自分の子供を愛せない母親

2016年03月10日 · コメント(0) · 学習、教育、子育て

「自分の子供が愛せません」
精神科で働いていると、こんな相談を受けることがあります。
・共働きで、授乳からおむつまで、全て義理の母が面倒を見ていたので…
・実は、作ろうと思ってできた子ではなかったので…
・下の子はよくなつくのですが、上の子はからきしで…
……
「小2の娘が抱きつこうとするのを、いつもさりげなく、よけてしまいます」
この手の話は、聞いている治療者も、とても辛い気持ちにさせられます。

しかし、だからといって、その相談者に対して
・人として…
・親として…
そんな話をしても何も解決にはなりません。
では、そんな場面で僕はどうしているのか、
今日は、こんな話をしてみたいと思います。

猫好きな人に対して、「犬好きになってください」、
これは誰もが違和感を覚えると思います。
お笑いが好きな人に、「寄席も好きになってください」
というのも同様です。

なぜなら、「好き」という気持ちは受動的だからです。
・面白いから
・美味しいから
・カッコいいから
そう、いつだって「好き」と「~だから」はセットなのです。

では、「愛する」とは何なのでしょうか。
・ちょっとブサイクだけど愛おしいペット
・モデルチェンジしても、愛車は愛車
・勝っても負けてもタイガースファン
つまり、「愛する」では「~だけど」がセットなのです。

所詮「好き」といった感情は、その瞬間における受け身的なものなのです。
一方「愛する」とは、自分の気持ちではなく、対象に懸命に関わるそのプロセスを指すのです。
そしてその結果、時間と共に愛情が育くまれていくのです。
(長年使ったカバンには、誰もが愛着感を覚えます)

「お子さんを愛せないなら、まずは愛しているフリから始めてみてください」
「難しければ、自分を水商売のホステスさんだと思ってください」

僕はいつだって、悲しい気持ちをこらえながら懸命に伝えているのです。

プラセボのレシピ : 第298話

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